「千と千尋の神隠し」、「ハウルの動く城」、「もののけ姫」、「崖の上のポニョ」、「紅の豚」、「魔女の宅急便」、「風の谷のナウシカ(トップクラフト制作)」、「となりのトトロ」、「天空の城ラピュタ」・・・こうやってタイトルを並べただけで何故かドキドキしてくるのは私だけだろうか。映画好き、アニメ好きが集まると決まって「ジブリ作品の中で最も好きな作品は?」という話題になる。日本のアニメ界に燦然と輝く、質量ともに圧倒的な“ジブリ山脈”を眺める時、それも当然のことだろう。アメリカにウォルト・ディズニーがあるように日本にはスタジオ・ジブリがある。
“こきりこ”は知っていたが“コクリコ”は知らなかった。
“こきりこ”とは日本最古の民謡と言われる“こきりこ節”の演奏に使われる竹製の民俗楽器のこと。♪マドのサンサはデデレコデン、ハレのサンサもデデレコデン♪~という囃子言葉を聞けば、年配の方なら「あーアレか、どっかで聞いたことあるなあ!」と思い出す人もいるだろう。
それはさておき、調べてみると“コクリコ”とはフランス語で“ひなげし”のこと。ビックリ!全く思いもよらなかった。もちろん、ひなげしは知っていたしあちこちで目にする。蛇足ながら、夏目漱石の小説で知られる虞美人草もひなげしの別称、私の大好きなラブソングの名曲「アマポーラ」もスペイン語でひなげしのことだそうな。
「コクリコ坂から」というタイトルのいわれは高台にある、庭にたくさんのコクリコ(ひなげし)が咲く下宿屋「コクリコ荘」に通じる坂道がコクリコ坂ということなんでしょう。もちろん、1980年に月刊少女漫画雑誌「なかよし」に連載された高橋千鶴作画、佐山哲郎原作による漫画のタイトルであるがこの漫画については私は当然ながらカケラも知らない。しかし、宮崎駿は何十年もの間、映画化のアイディアを温めていたらしい。そのへんはスゴイ。
「コクリコ坂から」は団塊の世代を描いた映画だった。
時代設定は東京オリンピック前夜、高度成長の槌音が鳴り響き日本がまさに上り坂にあった1963年。場所は横浜、海の見える高台。主人公の松崎海は高校一年生。まさに団塊の世代である。仕事で海外に行っている母親の留守を守って“海”は弟妹や祖母の面倒をみながら、なおかつ下宿屋“コクリコ荘”も取り仕切っている。早起きをして朝食の支度を黙々、淡々、かつリズミカルにこなす。そして海をゆく船舶に向かってその安全な航海を祈って国際信号旗を掲げることを毎朝の日課としている。船乗りだった、今は亡き父親を偲ぶかのように・・・。
ひとことで言えば“一途で健気な”少女である。そんな主人公“海”にひなげしの花はいかにも似つかわしい。思春期の少女が様々なことに悩みつつも凛とした、背筋の伸びた生き方をしようとする姿は野に咲くコクリコのように清々しい。
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THAT’S EIGATAINMENT バックナンバー
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- 女の子もけっこうケナゲにガンバッているんだねえ・・・ 「GIRL」 2012.6.19
- サイレント映画って、喜劇であってもなぜか物哀しい・・・ 「アーティスト」 2012.5.3



























